「屋根工事って色々あるみたいだけど、何が違うんだろう」
「業者に勧められた工事が本当に必要なのか分からない」
「費用も工事内容も違いすぎて、どれを選べばいいか迷ってしまう」
屋根工事を検討する際、このような悩みを抱える方は非常に多いです。
屋根工事には葺き替えやカバー工法、塗装など7つの主な種類があり、それぞれ工事内容も費用も大きく異なります。屋根の状態や屋根材によって適した工事方法も変わるため、正しい知識がないと判断に迷ってしまいますよね。
この記事では、各工事の特徴から費用相場、屋根材ごとに適した工事方法、さらに工事を選ぶ際の判断基準まで詳しく解説していきます。
適切な工事を選ぶことで、無駄な出費を抑えながら屋根を長持ちさせることができますので、ぜひ最後まで参考にしてください。
屋根工事の主な種類は7つ
屋根工事には規模や目的によって様々な種類があります。以下の7つの工事について詳しく見ていきましょう。
・屋根葺き替え工事
・屋根カバー工法
・屋根塗装工事
・漆喰補修工事
・棟板金交換工事
・雨樋交換工事
・部分補修工事
それぞれの工事内容を理解することで、自宅に必要な工事を見極めることができます。
屋根葺き替え工事
屋根葺き替え工事は、既存の屋根材と防水シート、野地板を全て撤去して新しいものに交換する最も大規模な工事です。
築30年以上経過した建物や、下地まで劣化が進んでいる場合に必要となります。屋根を一新できるため、この先長く安心して暮らせるのが最大のメリットですよね。工期は5〜7日程度かかります。
屋根カバー工法
カバー工法は、既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ねて取り付ける工事方法です。
撤去作業がない分、葺き替え工事よりも費用を抑えられるのが特徴。屋根が二重になることで断熱性や遮音性も向上します。
ただし瓦屋根には施工できませんし、既存の下地が傷んでいる場合も適用できない点に注意が必要です。
屋根塗装工事
屋根塗装工事は、スレートや金属屋根の表面を塗り替える工事です。
屋根材自体はまだ使えるものの、塗装が劣化して防水機能が低下している場合に行います。7〜20年程度の周期で実施することで、屋根材の寿命を延ばすことができるでしょう。工期は10〜12日間で、塗料の乾燥時間が必要なため比較的長めです。
漆喰補修工事
漆喰補修工事は、瓦屋根の瓦を固定している漆喰を詰め直したり交換したりする工事です。
築15年以上経過すると漆喰が剥がれてきて、瓦のズレや欠けの原因となります。瓦自体は50年以上持ちますが、漆喰は定期的なメンテナンスが欠かせません。
工期は2〜4日程度で、比較的短期間で完了します。
棟板金交換工事
棟板金交換工事は、スレート屋根や金属屋根のてっぺん部分にある金属板を交換する工事です。
経年劣化で釘が緩むと、台風などの強風で浮き上がったり飛散したりする危険があります。10〜15年程度で交換が必要になりますので、屋根塗装と同時に行うのがおすすめですよ。工期は2〜4日程度です。
雨樋交換工事
雨樋交換工事は、破損や劣化した雨樋を新しいものに取り替える工事です。
雨樋が詰まったり破損したりすると、雨水が適切に排水されず雨漏りの原因になります。落ち葉やゴミが溜まりやすい環境では特に注意が必要ですね。
工期は1〜3日間と短く、比較的手軽に行える工事です。
部分補修工事
部分補修工事は、瓦の差し替えや破損箇所のみを修理する小規模な工事です。
台風や地震などで部分的に被害を受けた場合や、軽微な劣化であれば部分補修で対応できます。
ただし、屋根全体の劣化が進んでいる場合は、何度も部分補修を繰り返すよりも全面的な工事を検討した方が結果的に費用を抑えられることもあります。
【工事種類別】費用相場と工期
各工事の費用相場と工期を把握しておくことで、予算計画が立てやすくなります。以下で詳しく見ていきましょう。
・屋根葺き替え工事:100〜240万円
・屋根カバー工法:80〜150万円
・屋根塗装工事:40〜80万円
・漆喰補修工事:30〜80万円
・棟板金交換工事:20〜80万円
・雨樋交換工事:3千〜10万円
・部分補修工事:5〜30万円
費用は屋根の面積や使用する材料によって変動しますので、あくまで目安としてご参考ください。
屋根葺き替え工事:100〜240万円
工事内容 | 費用相場(約100㎡の場合) | 工期 |
屋根葺き替え工事 | 100〜240万円 | 5〜7日間 |
※上記費用には足場費用は含まれていません
既存屋根材の撤去費用や廃材処分費、新しい屋根材の種類によって費用は大きく変わります。
アスベストを含む屋根材の場合は、特別な処理が必要となるため費用が高額になるケースもありますよ。
屋根カバー工法:80〜150万円
工事内容 | 費用相場(約100㎡の場合) | 工期 |
屋根カバー工法 | 80〜150万円 | 5〜7日間 |
※上記費用には足場費用は含まれていません
撤去費用と廃材処分費がかからない分、葺き替え工事よりも費用を抑えられます。ただし将来的にカバー工法の屋根が寿命を迎えた際は、二重の撤去が必要となり高額になる点は覚えておきましょう。
屋根塗装工事:40〜80万円
工事内容 | 費用相場(約100㎡の場合) | 工期 |
屋根塗装工事 | 40〜80万円 | 10〜12日間 |
※上記費用には足場費用は含まれていません
使用する塗料のグレードによって費用は変動します。遮熱塗料や耐候性に優れた塗料を選ぶと、その分費用は高くなりますが、長期的には塗り替え回数を減らせるメリットがあるでしょう。
漆喰補修工事:30〜80万円
工事内容 | 費用相場(約100㎡の場合) | 工期 |
漆喰補修工事 | 30〜80万円 | 2〜4日間 |
※上記費用には足場費用は含まれていません
屋根の勾配が急な場合は足場が必要となるため、費用が上がります。漆喰の詰め直しだけで済めば比較的安価ですが、棟瓦の積み直しまで必要になると費用は高くなりますね。
棟板金交換工事:20〜80万円
工事内容 | 費用相場(約100㎡の場合) | 工期 |
棟板金交換工事 | 20〜80万円 | 2〜4日間 |
※上記費用には足場費用は含まれていません
棟板金の形状や長さによって費用は異なります。木材下地も腐食している場合は交換が必要となるため、追加費用が発生することもあります。屋根塗装と同時に行うことで、足場代を節約できますよ。
雨樋交換工事:3千〜10万円
工事内容 | 費用相場(約100㎡の場合) | 工期 |
雨樋交換工事 | 3千〜10万円 | 1〜3日間 |
※上記費用には足場費用は含まれていません
雨樋の長さや足場の有無によって費用が変わってきます。2階部分の雨樋交換には足場が必要となるため、その分費用が高くなる傾向があります。
部分補修工事:5〜30万円
工事内容 | 費用相場(約100㎡の場合) | 工期 |
部分補修工事 | 5〜30万円 | 1〜4日間 |
※上記費用には足場費用は含まれていません
瓦数枚の差し替えであれば5万円程度で済みますが、補修箇所が広範囲になると費用は高くなります。複数回の部分補修が必要になりそうな場合は、全面的な工事を検討した方が良いかもしれません。
屋根材別に適した工事方法
屋根材の種類によって施工できる工事方法は異なります。以下の3つの屋根材について見ていきましょう。
・瓦屋根に適した工事
・スレート屋根に適した工事
・金属屋根に適した工事
屋根材の特性を理解することで、最適な工事方法を選ぶことができます。
瓦屋根に適した工事
瓦屋根は耐久性が非常に高く、瓦自体は50年以上持ちますので塗装の必要はありません。
重量がある屋根材のためカバー工法は施工できず、部分的に割れた瓦の差し替えか、全面的な葺き替え工事が基本となります。
漆喰は15年前後で劣化するため、定期的な補修が欠かせませんね。耐震性を高めたい場合は、軽量な屋根材への葺き替えを検討するとよいでしょう。
スレート屋根に適した工事
スレート屋根は傷みが軽ければ塗装工事で対応できますが、劣化が進んでいる場合はカバー工法か葺き替え工事が必要です。
下地に問題がなければカバー工法で費用を抑えられます。棟板金が傷んでいるケースも多いため、塗装工事と同時に棟板金交換を行うのがおすすめですよ。
10年ごとのメンテナンスを継続することで、寿命を延ばすことができるでしょう。
金属屋根に適した工事
金属屋根はガルバリウム鋼板とトタンで対応が異なります。
ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、15〜20年ごとの塗装でメンテナンスできます。トタンは錆びやすいため5〜10年ごとの塗装が必要です。
屋根材や下地の状態に応じて、塗装・カバー工法・葺き替えから選択できますが、錆びが広範囲に広がっている場合は葺き替えが適しています。
どの工事を選ぶべきか判断する3つのポイント
適切な屋根工事を選ぶには、以下の3つのポイントから総合的に判断することが大切です。
・屋根の劣化状況から判断する
・築年数から判断する
・予算と将来計画から判断する
これらの基準を押さえておくことで、業者の提案内容が適切かどうかも判断できるようになります。
屋根の劣化状況から判断する
表面的な色褪せや軽微な劣化であれば塗装工事で対応できます。
広範囲にヒビ割れや欠け、錆びが発生している場合はカバー工法か葺き替え工事が必要です。
雨漏りが発生している、下地まで傷んでいる状態なら葺き替え工事一択となるでしょう。部分的な破損だけであれば、部分補修で済むケースもありますよ。
築年数から判断する
築10年程度であれば塗装や棟板金交換などの軽微なメンテナンスで十分でしょう。
築20年を超えると、屋根材だけでなく防水シートの劣化も考慮する必要があります。築30年以上経過している場合は、下地まで含めた全面的な葺き替え工事を検討するタイミングです。
ただし定期的なメンテナンスを行っていれば、築年数が経過していても塗装で対応できることもありますね。
予算と将来計画から判断する
今回の工事費用だけでなく、将来的なメンテナンス費用も含めて考えることが重要です。
カバー工法は初期費用を抑えられますが、次回の工事時には二重撤去が必要となり高額になります。葺き替え工事は費用が高いものの、長期的に見ればトータルコストを抑えられるでしょう。
何年その家に住む予定か、将来の売却予定なども考慮して工事方法を選んでください。
屋根工事を依頼する前に知っておきたい注意点
屋根工事を依頼する際には、以下の3つの注意点を押さえておきましょう。
・注意点1:足場が必要な工事と費用
・注意点2:雨天時の工事対応
・注意点3:悪質業者の見分け方
事前に知っておくことで、トラブルを避けて安心して工事を進められます。
注意点1:足場が必要な工事と費用
屋根の勾配が30度以上ある場合や、2階建て以上の建物では足場が必要です。
足場代は約100㎡の建物で10万円以上かかり、工事費用の中でも大きな割合を占めます。足場が必要な工事を複数回に分けると、その都度足場代がかかってしまうため、屋根塗装と棟板金交換など、まとめて行うことで費用を節約できますよ。
注意点2:雨天時の工事対応
雨天時は作業を中止するのが基本です。
濡れた下地材の上に屋根材を取り付けると、カビや腐食の原因となり、後々雨漏りを引き起こす恐れがあります。塗装工事も雨で塗料が流れてしまう可能性があるでしょう。
雨予報なのに工事を強行しようとする業者は信頼できませんので、必ず作業を中止してもらってください。
注意点3:悪質業者の見分け方
訪問営業で「今すぐ工事しないと大変なことになる」と不安を煽る業者には注意が必要です。
無料点検後に高額な工事を勧めてくる、大幅な値引きをちらつかせる、火災保険の利用を積極的に勧めてくるといった手口が典型的ですね。
必ず複数の業者から相見積もりを取り、工事内容や金額を比較検討してから決めるようにしましょう。
まとめ
屋根工事には葺き替え、カバー工法、塗装など7つの主な種類があり、それぞれ費用相場や工期が異なります。
屋根材の種類や劣化状況、築年数によって適した工事方法は変わるため、総合的に判断することが大切です。目先の費用だけでなく、将来的なメンテナンス費用も含めて考えることで、長期的に見てお得な選択ができるでしょう。
足場の必要性や雨天時の対応、悪質業者の見分け方など、工事を依頼する前の注意点も押さえておくことで、安心して工事を進められます。
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